とりあえずワンナウト。

脳内宇宙のスペースデブリを電子の海に放出だ! 締まっていこ〜うッ!

《映画》VHSテープを巻き戻せ!

とっても楽しくちょっぴり切ないドキュメンタリー。世界のVHS蒐集家たちが明るいタッチでコミカルに描かれてるんだけど、世の中の人にとってはもはやゴミなんだよなぁ(笑) でも本人達はすごく嬉しそう。そしてそこがいい。愛がある。いや、愛“しか”ない。
 
このドキュメンタリーをみるにつけ、VHSテープを使ってたのって、人類史において、せいぜいうちら世代だけだったんなんだなぁ、と改めて自覚した。
 
あたりまえにそこにあったからなぁ、VHS。確かに今後消えゆくメディアなんだよね。(そのいみで『VHSテープを巻き戻せ!』というタイトルはとてもノスタルジックなメタファー) 言われてみてわかることってあるじゃないですか。この映画はまさにそれだった。
 
映画は『あなたにとってVHSとは?』というテーマで各方面のマニア達があれこれVHS愛について語っていくインタビュースタイル。
これ、ぱっと見、マニアのひとりがたりにみえるんだけど、尺が進んで仕掛け人や証人達が語っていくほどに、メディア論、文化論的にも立体的に立ち上がってきて、どんどん興味を引かれていくん。
 
で、見終わったころにはすっかりゴミが宝物に見えている、というわけw 
 
ま、監督の思惑に“してやられてる”んだけど、オレだってVHSど真ん中世代なんだもん、致し方ないよね、そこは。
 
タイトルにもなってるけど、見終わったVHSテープを『巻き戻す』という行為は、次 観るときのための準備なわけでとっても未来志向な行為だったわけだ。なるほどVHSテープってっていかにもアナログでリニアなメディアだったんだなぁ。ああ、そのあたり無自覚でしたわ。
巻き戻す、爪を折る、ダビング、3倍、テープが擦り切れる、、そんなコトバが通じなくなる日もそう遠くないのかもね。
 
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この映画にはバクシーシ山下、ってアダルトビデオの監督も証言者として登場する。
AVはVHSを語る上で外せないコンテンツなんだけど、とはいっても相当特殊なジャンルの監督よ?w この人選のセンスも光ってる。

男子は誰しも心当たりがあるだろうけど、初めてアダルトビデオを見た時、何もかもがキラキラだったw
こっそり持って帰る道のりも含めて体験のすべてが。
エロビデオ、、いい響きだけどこの言葉のいずれ無くなるんかねぇ。えーぶい。スケベビデオ。わざと言ってるけどw
ポルノを部屋で観れる、ということに無限の可能性を感じたよなぁ。あのトキメキ、デジタルネイティブにはわかるめぇ。裏で貸し借りしてたんだぞ、うちら。ビデオが友情をとりもってたフシ、あったよね。
 
AV返してもらう時に、大学の後輩に苦笑いしながら言われたなぁ。
『高橋さん、、、知りたくないから巻き戻しといてもらえます?』
 他者への配慮。そういう『巻き戻せ!』もあったか。
 
 
予告編「VHSテープを巻き戻せ!」